こんにちは、つかさです。
現在、教育現場は大混乱です。
特に、大阪ではオンライン授業を取り入れて、子どもが学校にいなくても指導過程を進めることができるように通達が来ていると思います。
多くの記事でも見かけますが、「教師には新しいことを取り入れるだけの時間も余裕もない」ということはおそらく本当でしょう。
なぜなら、学校現場の仕事の量は「ビルド オン ビルド」といって、仕事をどんどん上乗せしていくからです。
例えば、ここ数年で「道徳の教科化」がおこなわれました。
学校では道徳を「評価」しなくてはなりません。
しかも、この道徳の評価は「記述式」でなければなりません。
道徳が5段階評価なのは望ましくないという文科省の考えがあったからです。
そして、現場では今までの仕事に加え、新しく「道徳を評価する」という仕事が増えました。
指導要領の改訂も行われました。
指導内容も変わったり、移動してきたりするので、現場の教員は教材研究を改めて行う必要があります。
仕事、増えましたね。
しかし、代わりに何が減ったかというと、「なにも減っていません」
文科省はいつものことながら、「職員が一丸となって、働き方改革に取り組みましょう。45時間以上の残業はしないようにしましょう」というだけで、「○○はもうやらなくていいです」という通達は絶対に言いません。
学校現場のみなさんは、もしかしたらこんなことを思っていませんか?
「緊急事態宣言がもう1回発令すればいい」と。
今回は、現場の教師の本音を僕がいろいろな記事、本などを読んで、その内容についてまとめてみました。
今回の記事を読んで、学校現場の人たちは共感ができたり、違う職業の人でも学校現場という労働環境の恐ろしさを少しでも知ってもらえたりしてくれればうれしいです。
1.緊急事態宣言による学校の休校
2020年2月下旬に、元総理大臣の安倍晋三が「一斉休校の要請」を出しました。
卒業式と時期が少しかぶりましたが、現場の多くの教員は一斉休校に戸惑いつつも、「人間らしい労働環境」に喜びを感じたことでしょう。
教師は授業をすることが本職なはずです。
ところが、この一斉休校で分かったことは、「授業がなくても、勤務時間をフルで使い切るほどの仕事がある」ということです。
臨時休校中、教師は決して遊んでいたわけではありません。
教室の整備、老朽化した箇所の見直し・修繕、次年度に向けた資料を作ることなど、子どもがいない環境でも、仕事の量は膨大でした。
これまで忙しすぎて適当にしていたところにしっかりと時間をかけることができたのです。
つまり、緊急事態宣言による一斉休校は教師に与えられていた雑務をこなすのにはちょうどよかったのです。
2.子どもがいない。でも子どもが来た時にそなえて…
4月に再び「緊急事態宣言」が発令され、始業式や入学式だけ行った自治体が多かったと思います。
多くの自治体は6月に入るまで休校期間が続いていたと思います。
それまでに教師は何をしていたのでしょうか。
それは、ひたすら「教材研究」です。
子どもが来た時に、いつでも授業ができるようにその年度内の授業すべての教材研究をしていたそうです。
これには次のような意味が含まれています。
「子どもがいたら教材研究どころではない。子どもがいたら、それ以外のことで手一杯になり、授業を準備する時間は一切ない」
これが、現場の現実です。
子どもに授業をするはずの教師が、授業準備にかけられる時間が圧倒的に足りていないのです。
つまり、緊急事態宣言による一斉休校は教師にたくさんの教材研究をする時間を与えることができました。
しかし、このように真面目に授業準備をする教師もいれば、職員室でだらだら過ごしているベテランの教師もいたそうです。
ベテランの教師は基本的に子どもに授業を何年もしているので、授業準備をせずに授業をなんとかしてしまうのです。
若手ほど真面目に授業準備に取り組み、団塊世代は人によってちがうなど、そのような一面も見られたそうです。
3.部活動の中止
緊急事態宣言中、部活動の大会や練習は中止になりました。
部活動をもちたくない教師にとってこの報告は非常に喜ばしいものでした。
なぜなら、勤務時間内に仕事を終わらせることができたら、定時で帰ることができるからです。
さらに、部活動による土日の拘束もないので、有意義な時間を過ごすことができたそうです。
この臨時休校で気づいてしまったそうです。
「部活動の顧問もってない人ってずるくない?」
同じ教師という立場でありながら、部活動の顧問をもっている人と、そうでない人との仕事量の差が歴然としてしまったそうです。
普段部活動をもっている人が、「あ、部活なければこんなに精神的に楽なんだ」と気づいてしまったのです。
子どもにとっては悲しい話かもしれませんが、教師の労働環境に大きな影響を与えているのは部活動です。
別に、部活動を急遽なくす必要はないと思います。
部活動は子どもたちにとって、競技的な技術だけでなく、人間として大きく成長できる大切な場だと思っています。
しかし、教師が部活動をもつことは間違っていると思っています。
別に、地域のおじさんでも、子どもの保護者でもいいのです。
この緊急事態宣言を受けて、部活動が教師の大きな負担になっていることが浮き彫りになってしまいました。
4.多くの教師は再び緊急事態宣言を待っている
一斉休校までとは言いません。
しかし、緊急事態宣言が発令することによって、教師の仕事が少しずつ減っていくのも事実です。
こんなこと、不謹慎で誰も言いたくはないでしょう。
だから、僕が代わりに言い続けます。
緊急事態宣言が発令することで、学校現場の仕事は減ります。
そして、多くの教師が大量の仕事から少しずつ解放されていきます。
無駄な研修はなくなり、部活動は中止になったり、大きな行事も縮小版で開催したり、午前中授業で終了したり…
残念ながら、学校現場にはメリットが多すぎます。
もちろん、管理職や教育委員会は仕事が増えることでしょう。
しかし、管理職はあくまで教員たちの仕事を管理する立場です。
現場でがんばっている人たちの仕事が減ることを最優先事項と考えています。
5.今回の緊急事態宣言はもしかしたら仕事を増やしている
しかし、今回大阪は「オンライン授業」の導入を要請しました。
これは余りに酷なことです。
なぜなら、「オンライン授業用の授業」を教師が考える時間がほとんどない状況でスタートだからです。
普段の授業でオンライン授業が成り立つとは到底思えません。
オンラインならではの話し合い活動を取り入れる、「挙手」してくれる生徒がいない状況の授業はまた一味違った取り組みが必要だと思います。
教師にはオンライン授業の準備をする時間はないです。
1年分の授業に1年間の準備期間があってはじめて授業になるのです。
明日をなんとかやり過ごすので精いっぱいのところを、「はい、来週からオンライン授業をしまーす」なんて現場に丸投げで、なんとかなるとは到底思えません。
部活動の停止は仕方のないことです。
なぜなら、部活動は学校生活の「おまけ」です。
よく、「部活動を中止するならオリンピックもだろ」という意見がありますが、僕は「それはそれ、これはこれ」だと思っています。
部活動とオリンピックはまた別問題だと思います。
しかし、「子供の成長できる場をなくすのか!」という意見については確かにそうだと思っていますが、そもそも部活動の運営自体がすでに崩壊しているので、部活動から削っていくのは仕方のないことかもしれません。
6.今の大人にできること
おそらくあと数年はコロナウィルスの影響で学校現場に大きな影響を与えると思います。
そして、最終的には学校い行かなくても授業が受けられるような環境になっていくと思います。
しかし、そのようになるためには現場の労働環境を改善することが最優先です。
しかし、文科省や財務省が大きく改革を行う様子は見受けられません。
そのため、大人が世論を動かし、学校現場の労働環境を改善させていくしかないのです。
2021年3月下旬に文部科学省主催の「教師バトン」という活動が始まりました。
Twitterに「#教師バトン」とつけてつぶやくと、現場の苦労や労働環境をしっかり文科省に伝えることができる取り組みです。
(本来、そのような目的ではないものでしたが、事実上そうなっています)
教師になりたいと思う人は今後減少していくでしょう。
それでも、教師になりたいと思う人は必ずいます。
現場の声を参考にしたり、知り合いの教師が今どれだけ大変なのかを発信するチャンスでもあります。
ぜひ、有効に活用し、世論を動かしていってほしいです。
僕の名前は「つかさ」です。
義務教育から就職活動にかかわる人すべての支えになれるような記事を投稿しています。
極端な意見もあったりしますが、「ふぅん、そんな考え方もあるんだぁ」くらいで受け取ってくれたらうれしいです。
Twitterだけやってます。
もし悩みがあれば、ぜひご相談ください。
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