子どもを部活動に入部させたい保護者が必ず知っておくべき部活動の闇と教師から奪っている6つのもの

こんにちは、つかさです。

以前、部活動が子どもから奪っているものについてまとめました。

まずはこちらの記事からご覧ください。

【部活動は子どもから○○を奪っている】部活動にのめり込ませてしまった日本・親・教師の責任とは

この記事の内容を踏まえたうえで、今回の記事を読んでいただけると嬉しいです。

部活動は子どもからたくさんのものを奪っています。

さらに、部活動は教師の人生からたくさんのものを奪っていると僕は考えています。

今回の記事では次の2点について解説します。

今回の記事で解説すること

✅部活動に入部させている保護者が知っておくべき部活動の闇3選

✅部活動が教師から奪っている6つのもの

この記事を読んでも、なお子どもを部活動に入部させたいと思うでしょうか。

多大なる教師の犠牲のもとで成り立っている部活動という制度に、世間一般の方々にも疑問の念を抱いてもらえたらうれしいです。

ぜひ、最後まで読んでください。

部活動に入部させている保護者が知っておくべき部活動の闇3選

「あんた、中学生(高校生)になったんだから、部活動に入りなさいな(=゚ω゚)ノ」と子どもに進める保護者の皆様へ。

何のために、部活動に入部させたいのですか?

  • 部活動で上下関係を学んでほしい
  • 部活動に打ち込んで、勉強もがんばって、文武両道を目指してほしい
  • 大会に出場する我が子を見てみたい

様々な理由があると思います。

しかし、いったいどれだけの保護者が部活動の闇を知っているのでしょうか。

僕が考える部活動の闇は次の3つです。

部活動の時間は勤務時間に含まれていない

平日の授業終了時刻が午後3時だとします。

そこから部活動の準備を始め、片付けを終了するまでおよそ3時間程度かかります。

すると、終了時刻は午後6時ごろになります。

しかし、教員の業務終了時刻は公務員なのでだいたい午後5時ごろです。

空白の1時間はどうなっていると思いますか?

そう、ただ働きです。

平日部活動の面倒を何時間見ても、その分の報酬は発生しません。(公立学校は全国共通です)

さらに、部活動を指導している間、本来の業務(授業準備・学校関係の仕事・電話連絡など)は一切できません。

つまり、午後6時を過ぎてから、部活動の顧問の先生は自分の仕事を始めるのです。

  • 次の日の授業準備に1時間程度
  • 学級の子どもたちのために割く時間30分程度
  • 学校から任せられた仕事(行事にかかわるものなど)30分程度

他にもたくさんの仕事を部活動終了後の、午後6時以降に行っています。

勤務時間外にもかかわらず、管理職(教頭や校長)は何も口出ししないどころか、部活動に顔を出さなければ「なんで職員室で仕事してるの?部活動にもっと顔を出してよ」という言葉をかけてくるそうです。

こんなことが許されるのはなぜでしょうか?

土日や祝日において3時間以上の活動以降はすべて無賃で働いている

平日は報酬が一切出ませんが、土日や祝日などは出ます。

1回あたり3000円程度です。

これは1時間あたり1000円という計算によって決められているようです。

ところが、3時間部活動を行った後の報酬は一切ありません。

日頃の練習であれば3時間くらいで終了します。

しかし、指定された大会以外の大会(区の大会や練習試合など)で引率時間が3時間を超えても、3000円しか出ません。

3時間以降の時間はすべて「ただ働き」です。

お昼を過ぎるような大会であれば、昼食は自腹です。

交通費やガソリン代なども一切支給されず、報酬が3000円以上出ることはありません。

部活動の顧問は教師が仕方なく担っている

「すべては子どものためにボランティアをしてくれてありがとう(=゚ω゚)ノ」

「教師は子どものためなら何でもしてくれるのね( *´艸`)」

そんなことはありません。

部活動の顧問をしている教師のうち、半分以上は「仕方なく」顧問をしている場合が多いです。

実は、部活動の顧問は「教師」である必要は一切ありません。

地域のおじいさんだったり、主婦だったり、会社帰りのお父さんだったり、

誰でもいいんです。

しかし、先ほどから話をしている通り、報酬や待遇が悪すぎて、全然人がやってこないだけです。

学校現場で部活動が行われるため、子どものことや学校の環境をよくわかっている教師にお願いされるのです。

そもそも、○○部をつくった人が転勤になっても、その部活動に生徒がい続ける限り、○○部は存続させるように学校は行動していきます。

だから、とにかく誰かに顧問を引き受けてもらうように、管理職も必死になります。

多くの教師は「子どものために」という魔法の言葉で動いてしまいます。

それが積もり積もって、部活動の顧問をもちたくない人も、もたざるを得ない環境や状況になっているのです。

Point

  • 平日の授業後に部活動の面倒を見ても、報酬は一切支払われていない。さらに、部活動をしている間に本来の業務を進めることができず、部活動が終了した午後6時以降に仕事を始めるので、一向に帰ることができない。
  • 土日や祝日は報酬が発生するが、1回あたり3000円程度。さらに、県や市が認めていない大会などの引率の場合は3時間以上経過しても、追加の報酬(交通費も)は一切支払われない。
  • 部活動の顧問は教師である必要は一切ないが、報酬や待遇が悪すぎて誰もやってくれない。仕方なくやっている教師が多い。

このほかにも、部活動の闇はたくさんあります。

さらに、保護者の人たちには「部活動が教師から奪っているもの」についてもご理解いただきたいと思います。

部活動が教師から奪っている6つのもの

部活動については闇だらけです。

さらに、教師がその闇を抱え込みつつ、「子どもたちのために」という言葉に押し任されて、教師自身の大切な6つのものを部活動は奪っています。

それは次のものです。

順番に解説します。

勤務時間

勤務時間が奪われるというのは不思議な表現かもしれませんが、先ほど解説した通りです。

部活動さえなければ勤務時間内に終わるはずの仕事が、部活動があることによって終わらず、時間外労働をしなければなりません。

教師の仕事は授業や学校行事にかかわる分掌が割り当てられています。

しかし、部活動顧問を引き受けてしまうと、勤務時間内に部活動の面倒を見ないといけないという仕事が発生します。

(しかもボランティアという形式で。)

また、部活動は教育課程外の項目であるため、ハッキリ言って、「教師の仕事ではない」のです。

つまり、部活動に顔を出すだけで、本来の勤務時間を奪われてしまっているのです。

多くの教員が部活動さえなければ授業後に職員室の机で教材研究や行事にかかわる資料を作成して、定時退勤できるのです。

もちろん、近年では仕事量の多さから、部活がなくても定時退勤できないほどの仕事量を割り当てられている教員は大多数存在します。

そのような環境の中、追い打ちをかけるかのように、部活動の顧問があることによって、仕事がさらに増えるということです。

教師のお金

運動部・文化部問わず、部活動の顧問は何かしらの道具を買います。自腹で。

なぜなら、部活動は「趣味」として扱われているからです。

嫌々引き受けたとしても、一度引き受けてしまったら「趣味」なのです。

だから、経費からお金が出ない場合がほとんどです。

たとえば、野球部の顧問を引き受けたとしましょう。

部活で使用し、学校で保管するボールやバットなどはお金が出るでしょう。(ここすら自腹のところもあります)

しかし、顧問が着るユニフォームや普段練習に必要なジャージ、生徒とキャッチボールするために買ったマイグローブなどはすべて自腹です。

また、大会などがあれば車や公共交通機関を利用して現地に向かいます。

しかし、ガソリン代も電車代も出ません。

すべて自腹です。

そして、手当は8時間拘束されたとしても1日3000円程度です。

教師は自腹を切って部活動の顧問を引き受けていることになります。

教師の家族との時間

勤務時間が長くなれば、家族と過ごす時間が短くなります。

お金が無くなれば家族で出かけたときにかけられるお金が少なくなります。

つまり、部活動は教師から「家族との時間」を奪っているのです。

教師も1人の人間であり、結婚すれば「先生」ではなく、「お父さん」・「お母さん」、「旦那」、「奥さん」など、普通の人です。

家族と一緒に過ごす幸せな時間を、部活動は引き裂いているのです。

また、部活動をすることによって、その分家事・育児が分担できず、負担が配偶者に重くのしかかります。

そのような状況が何年も続けば関係性は悪くなり、家庭崩壊へと近づいていくでしょう。

先生だって1人の人間です。

能力がある人は、両立だって可能かもしれませんが、そこまで器用ではない人の方が多いと思います。

教師の余暇

余暇だけではないのかもしれません。

教師には時間的な余裕がなさすぎます。

時間的な余裕があって初めて子どもにとって良い授業を考えることができるはずです。

それなのに、授業を考える時間を犠牲にしてまで部活動にかからないといけないのです。

教師も人間です。

自分の時間をつくるために授業を準備する時間を犠牲にしているのです。

結果的に、子どもたちにとって授業がつまらないものになります。

また、自分の時間もなくなることで、教師本来必要な「教師がいつまでも学び続ける」という姿勢を保つことが不可能になっています。

土日という2日の休みがあって初めて余裕をもつことができ、自分自身の教養を身に付けることができるのです。

しかし、土日のうち1日でも(たとえ半日であったとしても)部活動のために朝早く出勤し、活動することで時間の余裕がなくなります。

この余裕のなさが子どもたちにとって良い影響をもたらすはずがありません。

教師が学び続けるという環境を阻害しているのが部活動です。

教師の健康な心

多くの教師は学級担任をもっています。

担任とは非常にやることが多く、事務作業に加え、子どもが何かトラブルを起こしたらその対応をしなければいけないのです。

学級担任としてすでに仕事量が手一杯なのに、そこに部活動のトラブルが起こったらどうなるでしょうか?

1人で2つの組織のトラブルを管理しなくてはいけなくなるのです。

これでは、心にダメージを追うばかりですよね。

また、時間的余裕のなさから、心も少しずつ蝕まれていきます。

「明日の授業の準備まだなのに、部活に顔を出さなきゃ…」

「今日、うちのクラスの子たちがケンカしたのに、部活でもケンカしてるよ…」

「クラスの給食費徴収しないといけないのに、部活動のユニフォーム代も集めなきゃ…」

1人が2つも組織を運営するのは非常に大変なことで、そのうち心がつぶれていきます。

教師の仲間たち

部活動によって、学校現場から「教師」が奪われています。

つまり、あまりの忙しさ、心の病、仕事量に対して手当てがあまりにも無さすぎることから、賢い人間は教師を辞めるのです。

現在、日本から教師がどんどんいなくなっています。

また、「教師になりたい」と思う人間も減っています。

近年の教員採用試験の倍率は過去最低水準を記録し続けているのがその証拠です。

また、心の病で休職している教員の数もどんどん増えています。

賢い人間ほど、教師を辞めていくのです。

教師が減っても人員が増配されず、仕事量は既存の教員に割り当てられ、1人当たりの仕事量がさらに増えます。

その結果、部活動に関係なかった教員までもが余裕のなさに教師を辞めていくという悪循環が発生します。(これは僕の想像ではなく、実際に教育現場で起こっている現象です)

この結果が未来にどんな影響を及ぼすのかは、だれが考えてもわかることでしょう。

まとめ【それでもあなたは子どもを部活動に入部させたいですか?】

今回の記事では次の2点について解説しました。

今回の記事で解説したこと

✅部活動に入部させている保護者が知っておくべき部活動の闇3選

✅部活動が教師から奪っている6つのもの

部活動という制度は闇だらけ

現行の部活動では教師への負担が大きすぎるのが現実です。

どれだけ部活動に情熱を注いでも、報酬はほんのわずかであり、それを知っていても「子どもたちのため」という言葉に後押しされて顧問を引き受けてしまう教師がたくさんいます。

部活動に我が子を預けたい保護者はこの現状を知っておくべきだと思います。

現行のままでは部活動のせいで教師がいなくなってしまう

現在、教員採用試験の倍率が低下したり、教師になっても過酷な労働環境のせいで数年でやめる人がいたりします。

そもそも、多くの先生方は部活動の顧問をもっていなくても時間外労働前提の仕事量を抱え込んでいます。

その状況下の中でも部活動を引き受けてしまい、結果として教師からたくさんのものを奪っています。

さいごに

僕は決して物事を誇張して表現しているつもりはありません。

これが現実であるということを世間一般に知ってほしいのです。

世の中には「部活動のために先生になりました」という人がいます。

きっと、自分の青春を子どもたちに伝えたいのでしょう。

しかし、そんな時代はもう終わらせるべきです。

今の子どもたちが社会に出たときに必要な力は「顧問の指示に従って、チームで協力して、強くなること」ではありません。

「自分のことは自分で守り、時代の流れの変化に気づいて自分で行動できる」力が必要なのです。

それを身に付けるのに「部活動」はあまり必要ありません。

そして、我が子を部活動に入れたいのであれば、多大な犠牲を教師が受けていることを必ず理解しておいてください。

 

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僕の名前は「つかさ」です。

大学受験、就職活動、アルバイトの面接でさえ、第一希望を獲得したことがない人生を送ってきました。

しかし、僕にはどんな道に進んでも自力で学び、楽しめる才能をもっているって最近気づきました。

モテるために筋トレもします。知識豊かになるために読書もします。

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